ライスレジンが未来を救う?日本発お米のプラスチックを紹介!
地球温暖化や環境負荷を考え、レジ袋が有料化されるなど「石油製のプラスチック」の使用量を減らす動きが進んでいます。
しかし便利なプラスチック製品の数々は、すでに私たちの生活に欠かせない物となっており、急に減らすよう言われても困ってしまいますね。
そんななか、実は日本で「お米」を原料としたプラスチック「ライスレジン」に注目が集まっているのをご存知でしょうか。
今回は、このライスレジンの特徴や、どのような製品に使用されているのか、などを具体的にご紹介します。
ライスレジンとは?
ライスレジンとは、バイオマスレジンホールディングスが手掛けた、お米由来の国産のバイオマスプラスチックです。
実はこのライスレジンは、食べられなくなった古米や、お菓子の製造工程などで細かく砕かれた破砕米、廃棄されるお米などが有効活用されています。
「非食用のお米」だけが使用されているので、お米をムダにせず、環境に優しいプラスチック製造を可能にしました。
バイオプラスチックとは
バイオプラスチックとは、植物などのバイオ原料をもとに製造される、環境負荷の少ないプラスチック素材のことです。
このバイオプラスチックには2種類あり、微生物によって水と2酸化炭素に分解される「生分解性プラスチック」と、自然には分解されない「バイオマスプラスチック」にわけられます。
ライスレジンは分解されない「バイオマスプラスチック」に分類され、通常のプラスチックと同様に使用できる素材です。
あなたの身近なライスレジン
実はライスレジンは、すでにあなたの身近な製品に使用されています。
たとえば、2022年にモスバーガーのテイクアウト用のフォークやスプーンはライスレジン製に変更され、年間約15トンの石油系プラスチックが削減されました。
また、日本郵便、牛丼の吉野家、自動車メーカーのBMWなどは、ビニール袋にライスレジンを導入しています。
そのほかにも、子供向けのおもちゃ、クリアファイル、歯ブラシ、合皮財布(ライスレザー)、お弁当箱など活用の幅が広がっているため、将来は「お米のプラスチックがあたりまえ」の時代が来るかもしれませんね。
ライスレジンはなぜ未来を救うのか
ライスレジンがなぜ未来を救うのか、どのようなメリットがあるのかをみていきましょう。
100%国産のお米を利用している
ライスレジンは、現在100%国産の非食用米を使って生産されています。
食品やエネルギーを外国に頼っている日本ですが、栽培ノウハウの確立したお米でプラスチッㇰ製品を作ることができれば、輸入への依存度を減らしていけるかもしれません。
二酸化炭素を削減してカーボンニュートラルを目指せる
お米は稲として育つ過程で光合成を行い、多くの二酸化炭素を吸収します。
焼却すると二酸化炭素を排出しますが、全体で見ると二酸化炭素の排出を大幅に抑えた「カーボンニュートラル」を達成することができるのです。
また、お米は石油のように「1回とって終わり」ではなく、何度でも育てられる、持続可能な素材であることもメリットでしょう。
日本の耕作放棄地や休耕田の活用につながる
日本ではお米の消費量が少なくなっており、年々活用されていない田畑が増加しています。
しかし、ライスレジンの需要が増加すれば、こういった休んでいる農地で再びお米作りが始まるため、地域活性化や農業の再興につながっていくでしょう。
お米の可能性を追求しよう!
植物からプラスチックを製造する動きは世界中で活発化しており、お米の他にはトウモロコシやサトウキビなどを使ったバイオプラスチックが使用されています。
ライスレジンの品質は、現在私たちが使用しているプラスチック製品とほぼ変わらないことも嬉しいポイントです。
日本はお米の国なので、このライスレジンを使用しながら、未来の地球環境を守っていきたいですね!