非常食のアルファ米とは?災害備蓄として長期保存できる理由を解説
アルファ米とは、お水やお湯だけで簡単に「炊きたてのごはん」に変身する、魔法のようなお米です。
豪雨や土砂崩れ、地震など、なにかと自然災害の多い日本ですが、いざという時に「いつもと同じお米」が食べられると、きっと安心しますよね。
そこで今回は、このアルファ米がなぜ長期保存できるのか、災害備蓄として活躍する秘密を調べてみました。
アルファ米について知りたい方や、ご自宅の非常食選びの参考にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
非常食が長期保存できる秘密
非常食は徹底した衛生管理や乾燥・密封などの工夫により、一般的に3年~5年、長いものでは25年も保存できます。
定番アイテムと言えば、乾パンやアルファ米ですが、この他にもビスケットやカレー、パスタにうどんなど、最近では味にこだわった商品も多数登場しました。
そのなかで、お米を非常食として長期保存できるようにしたものが『アルファ米』です。
アルファ米とは
アルファ米とは、炊いたお米を急速乾燥させて作った加工米です。
通常のお米は、季節によっても多少違いはありますが、生米であれば約2~3ヶ月、炊いたお米であれば冷凍しても1週間ほどしか保存できません。
しかし「アルファ化」という特殊加工を行うことで、お米の長期保存が可能になりました。
アルファ化とは?
アルファ化とは別名「糊化(のりか)」とよばれるデンプンの変化です。
もともと生米に含まれている固い「β(ベータ)デンプン」は、炊飯すると糊化(アルファ化)をし、ふっくらやわらかな「α(アルファ)デンプン」にかわります。
また、炊飯したお米を放置するとカピカピになるのは、アルファ化したデンプンが冷めることで固いβデンプンに戻ってしまうからです。
アルファ米では、アルファ化した柔らかなお米が固くなる前に急速乾燥させることで、デンプンはアルファ化状態を保っています。
アルファ米は何年もつ?
アルファ米は、メーカーにもよりますが、一般的なもので賞味期限が3年~5年といわれています。
賞味期限が長いと保存料がたくさん入っているイメージがありますが、アルファ米は乾燥により微生物が繁殖できない環境をつくりだしているので、基本的に防腐剤不使用です。
アルファ米は世界的にもかなりレベルが高い、安心で安全な製法でつくられていることがわかります。
アルファ米は常温で保存ができ、賞味期限が3年~5年もあるので、災害時の非常食として備蓄しておくのにぴったりですね。
アルファ米は水だけでお米に戻る!
アルファ米は炊いたお米を急速に乾燥させ、水分を抜いている状態です。
製品にもよりますが、水なら入れてから60分、お湯なら入れてから15分待てば、ふっくらした炊きたての美味しいご飯に戻ります。
災害時や避難時には、火が使えなくなることもあるので、水を入れるだけで食べられるのは非常に便利でありがたいですよね。
軽量で持ち運びがしやすいため、災害時だけでなく、登山などのアウトドアに持参される方も増えています。
アルファ米は便利で美味しい!
ひと昔前、アルファ米は「まずい」というイメージもありましたが、現在では製造するメーカーも増え、種類が豊富で味もバリエーション豊かになりました。
非常時には気持ちに余裕がなくなり、ストレスも溜まるので、食べ慣れた美味しいご飯があるだけでも安心感を与えてくれるのではないでしょうか。
いつ発生するか分からない災害に備え、非常食として便利で美味しいアルファ米を準備しておきましょう!
また、今回ご紹介した『アルファ米』は、なんと宇宙食にも使われています。アルファ米を使った宇宙食については、こちらの記事をご覧ください。