奈良の鹿せんべいの箱は廃棄米からできている!?目指せフードロス解消
近年、フードロスという言葉をよく耳にするようになりましたが、一年間でどのくらいの食品が廃棄されているかご存知でしょうか。
農林水産省の発表によると、令和3年の日本のフードロスは年間約523万トンで、国民一人あたりに換算すると、おにぎり一個分(約114g)の食品を毎日捨てている計算になります。
そんなフードロスの問題を解決するため、廃棄米を紙へと生まれ変わらせている企業があります!
今回は、廃棄米からつくられている、鹿せんべいの箱をご紹介します。
日本のお米は◯トンも廃棄されている
日本で、年間約523万トンの食品が廃棄されているうち、お米は年間約28万トンが廃棄されています。
世界では年間約13億トンもの食品が廃棄されており、お米を含む穀物は年間約4億トンが廃棄されているのです。
日本のお米の生産量が年間で約1,000万トンなので、約40倍以上の穀物が廃棄されていることになります。
家庭から出るフードロスの主な原因は、食べ残しや賞味期限・消費期限切れ、調理の際に食べられる部分まで捨てていることです。
各家庭で廃棄する食品を意識して減らすことで、フードロスは大幅に削減できます!
「固くなったお米は復活できる?柔らかく戻す方法やアレンジレシピ」にて、フードロスをなくすための方法をご紹介しています。ぜひお読みください。
廃棄米からできる鹿せんべいの箱
現在、日本では若い世代を中心に米離れが深刻化しており、お米の廃棄量は年々増えていると言います。
これまで廃棄されてきたお米を価値あるものにしたいと、株式会社ペーパルでは廃棄米を混ぜた紙素材『kome-kami(コメカミ)』を使って、鹿せんべいの箱をつくりました。
昨年から、それまで露店か土産物屋さんでしか購入できなかった鹿せんべいが、自動販売機で購入できるようになり、『kome-kami』でつくられた箱に入って出てきます。
廃棄米を有効活用できる上に、時間を気にせず購入できることで、観光客が鹿にせんべい以外の食べ物を与えることを防ぐことができます。
自動販売機の売上は奈良の鹿愛護団体に寄付され、鹿を守る活動に活かされるのも購入する側にはうれしいポイントですよね!
お米のフードロス解消のためにできること
廃棄されるお米を様々な企業が知恵を絞って有効活用することも必要ですが、増え続けるフードロスを減らすために、各家庭でもできることはあります!
◎買いすぎない
お米に限ったことではありませんが、安売りしているからといって大量に購入しても、きちんと保存していなければ結局は傷んで捨てることになってしまいます。
お米には賞味期限の記載もありませんし、意外とデリケートな食品なので、買いすぎには注意しましょう。
◎作りすぎない
炊きすぎたり、余ってしまったりした場合でも、すぐに冷凍保存すれば日持ちするし美味しく食べることができます。
◎食べ残さない
糖質制限ブームによって、外食時にお米だけ食べ残す人が増えていると言いますが、飲食店での食べ残しは廃棄するしかないので、なるべく食べ残さないように気をつけましょう。
まずは、身近なところからフードロスを減らしていきたいですね!
まとめ
フードロスは食べ物がもったいないだけでなく、環境問題にも影響を及ぼします。
お米の消費量がピークだった1962年以来、一人当たりのお米の年間消費量は減り続けています。食生活の多様化や糖質制限ブーム、高齢化による摂取量の減少など、今後も減っていく可能性が高いです。
消費量が減少すれば、収穫されたお米も余り、さらに廃棄米も増えてしまいます。
各家庭で私たち一人一人ができることから実践していくのはもちろん、今回ご紹介した『kome-kami』のように、廃棄米を有効活用することで、まずは日本からもったいないお米をなくしましょう。
食べられなくなった古米や、お菓子の製造工程などで細かく砕かれた破砕米に関する記事「ライスレジンが未来を救う?日本発お米のプラスチックを紹介!」でも廃棄米について触れています。