お米がつなぐ文化!世界各地の米にまつわる祭りと伝統
お田植祭りや祈年祭、新嘗祭など日本にはお米に関するお祭りがたくさんありますが、実は海外にもお米にまつわるお祭りがあるのをご存知でしょうか。
中国やタイ、ラオスなどのアジアだけでなく、あまりお米のイメージがないイタリアやスペインにもお米のお祭りがあるんです。
今回は、世界各地のお米にまつわるお祭りを紹介します!
お米はどこからきた?
稲は中国南部からラオス、タイ、ビルマ周辺の山岳地帯で生まれたと言われています。
稲作の歴史は古く、約一万年前に中国の長江で始まったと推定されています。はっきりとした時期は不明ですが、中国から朝鮮半島を経由して日本へ稲作が伝わった説が有力です。
稲作には畑での栽培と水田での栽培がありますが、現在の日本でも一般的な水田稲作は、約3000年前に九州北部に伝わったとされています。
それまで日本は狩猟で生活していましたが、徐々に農耕社会へと変化していきました。
日本人にとってお米は主食というだけでなく、伝統や文化、経済、社会など幅広い面で大きな影響を与える特別な存在です。
農耕の祭事に由来している日本のお祭り
日本全国にはたくさんの伝統行事やお祭りがありますが、そのほとんどが稲の豊作を祈ったり感謝したりするもので、農耕の祭事に由来しています。
・お田植祭り…春に行われる農作業の無事や豊作を祈るお祭り
・虫送り…稲が無事に育つよう害虫の発生や雨風の被害が出ないことを祈る、夏の伝統行事
・新嘗祭(にいなめさい)…に収穫ができたことを神に感謝するお祭り
・どんど焼き…冬に新年の無病息災や五穀豊穣を祈願する火祭り行事
このように、日本では季節ごとに各地でさまざまなお祭りが催されているんですね。
稲のお祭りには、昔の田仕事の様子が残っており、日本人の伝統的な暮らしを発見することができます。
日本と違う?世界の米にまつわるお祭り
日本だけでなく、海外にもお米のお祭りは存在します。
アジア
ラオスも日本と同じくお米が主食ですが、もち米が主流です。お箸ではなく、手で食べるのが日本とは違うところですね。
ラオスの収穫祭では、高さが20メートルもある稲のドームが立てられ、民族衣装を着た村人たちがパレードを行います。
日本にはないお祭りですが、その年の収穫への感謝と翌年の豊作を祈願するお祭りであるという点では同じです。
他にも中国の「稲香祭」や韓国の「利川米文化祭り」、タイの「ジャスミン米祭り」などがあります。
お祭りの内容は違えど、祈願することはどの国も同じといえます。
ヨーロッパ
リゾットを食べるため、稲作も行っているイタリアでは「フィエラ・デル・リーゾ」という収穫祭が一ヶ月も開催されます。
もともとは小さな町の秋祭りだったものが、今では町おこしに一役買うイベントへと成長しました。
パエリアを食べるスペインにも、日本でいうところのお田植祭りや稲刈り祭りがあるんですよ。
ヨーロッパは、地域の伝統や文化の継承以外に地元のお店や地元産のお米のプロモーション活動がお祭りの目的となっているのが特長といえます。
まとめ
お米といえば日本、というイメージがありますが、世界各地にお米にまつわるお祭りがたくさんあることがわかりました。
日本はお祭りの他に、伝統行事や伝統芸能など米づくりから生まれたものがたくさんあります!
相撲や歌舞伎、有名なねぶた祭りもお米と深い関係があるんですよ。
豪雪地帯でつくられる「かまくら」も、水神様を奉り、その年の豊作と子どもの成長を祈願する行事なんです。
普段何気なく参加している行事やお祭りも、お米と深い関わりがあるかもしれませんね。
地元のお祭りや伝統行事のルーツを調べてみるのも、面白いのではないでしょうか。