お米でビール!?今話題の廃棄米をつかったクラフトビールとは!
日本人にとって身近な存在であるお米は、普段主食として食べる以外にも活躍しています。
お米のとぎ汁を野菜のアク抜きに使うことは有名ですが、その他にも私たちになじみの深い製品の原料としても使われていることをご存知ですか?
例えば、ポン菓子などのお菓子や玄米茶、米粉パンや米油がそうです。
日本酒や焼酎、みりんなどの調味料の他に、飲む点滴と言われてブームになった甘酒も米麴を原料にしているものがあります。
食べ物以外にも、米ぬかを使った化粧品も有名です。
そして意外なところでは、口に入れても害がないように幼児用のクレヨンや、つみきの主成分に使われることもあるんですよ。
さまざまな場面で活躍しているお米ですが、今回は廃棄するはずのお米を使ってつくるビールをご紹介します!
廃棄米を使ったクラフトビール2選
最近、よく耳にするようになったクラフトビールとは、「小規模な醸造所で職人が精魂込めて造っている多種多様なビール」のことを言います。
原料や製法も醸造所や醸造者によって異なるため、種類も豊富で個性的なクラフトビールですが、お米を原料にしてつくられているものもあります。
ここでは、廃棄されてしまうお米を使用してつくられたクラフトビールを2つご紹介します。
箔米ビール-白金-
「箔米ビール-白金-」は、飲食業界が抱える食品ロスを失くしたい!という思いからつくられたお酒です。
現在「箔米ビール-白金-」を企画販売している、株式会社ジパングフードリレーションズは、数年前にカレー屋をオープンさせました。
当初ジパングフードリレーションズは、飲食店の食品ロスの多さを目の当たりにし、様々な対策と工夫を重ねてきましたが、炊いたお米だけはどうにもできないという問題に直面します。
新型コロナウイルスの影響も重なり、廃棄炊飯米が増えて途方に暮れていた時、捨てるはずのパンの耳をクラフトビールに変える技術を持っている、シンガポール発のフードロスに取り組む企業と出会いました。
この出会いにより、試行錯誤した結果、白いお米たちに「箔」をつける「箔米ビール‐白金」が完成します。
廃棄されるはずの炊いたお米が、香り高いビールへと生まれ変わったのです。
ハレと穂
魔法瓶や炊飯器などの調理器具で国内屈指のシェアを誇る象印マホービン株式会社は、主力製品である炊飯器を開発する際、試作機でお米を炊飯する炊飯試験を大量に行うため、年間約30トンのお米を使うといいます。
試食のすべてを食べ切れるわけではないので、どうしてもロスが出てしまうことが問題となりました。
持続可能な社会に向けた、循環型経済の実現を目指す象印は、2021年から廃棄炊飯米を活かす取り組みを始めました。様々な可能性を模索する中で、フードロスに取り組む企業と出会います。
その出会いをきっかけに、世界が認めるクラフトビールブランドである醸造所を紹介されたことから、「ハレと穂」が誕生したのです。
「ハレと穂」は、もったいないご飯を社内から減らし、やがて社会全体から減らしたいという、ご飯を愛する企業の思いから生まれたサステナブルなビールです。
お米のフードロスをなくすにはアップサイクルが重要!
廃棄するお米を新たな食べ物に生まれ変わらせるだけでなく、紙製品や日用品など食品以外の製品にアップサイクルすることでフードロスを減らすことが期待できます。
日本ではまだ言葉の認知度が低いですが、アップサイクルとは、捨てられてしまうものに手を加え、より価値の高い新たな製品として生まれ変わらせる手法のことです。
アップサイクルは、資源の有効活用やゴミの削減だけでなく、地球環境への負荷を減らす手段と言えます。
アパレル業界や建設業界など様々な業界から注目されており、フードロスが問題となっている食品業界においても、アップサイクルの取り組みが進められています。
他のアップサイクルとして、お米で作るプラスチック「ライスレジン」の取り組みもご紹介しています。
詳しくは「ライスレジンが未来を救う?日本発お米のプラスチックを紹介!」の記事もあわせてご覧ください!